前回記事「VMware ESXi 4 (U1)をD510MOで動かす」のつづきです。
軽くおさらいすると、
・D510MOはRealtek RTL8168/8111というNICチップを積んでいる。
・ESXiでこのNICチップは正式サポートされていない。
・有志が作ってくれたありがたいドライバを利用して、無理やりインストール可能。
・これで一応動作するが、Realtek RTL8168/8111系のドライバはRTL8169と誤認識される不具合があるため注意する。
ここまでが前回の流れ。
で、その後なんですけれども。
このNICチップでのトラブル報告は多いですね…。
まあ、誤認識してしまう時点でダメなのですが。
で結論は…やっぱり解決できませんでした。
でっかいファイルを転送していると、途中でLink Downします。
NWで高トラフィックの用途には使い物にならないですね。
仮想ディスクをまるごとscpでバックアップするとか無理です。
↑これ厳しいです。
LinkDownのタイミングでは、r8168.oドライバがエラー(panic)を吐いていますが、「panic」なのでハードなのかドライバなのかさっぱりです。
(混乱を招くといけないので、あえてエラーメッセージは明記しないことにしますね。。)
─────ところが─────。
実はわたくし、このマザーボード、もう1枚使用しておりまして。
こちらは毎週1回200GB弱のリモートバックアップ(scp)処理が走るのですが、このとき一度もLinkDownなんぞしたことはありません。
気になるそのマシンの構成は…「CentOS 5.4/32bit版」で、lsmod叩いたらなんとRTL8169のドライバで動作していました。
ここから推測されるのは…
Realtek RTL8168/8111ドライバが「64bit環境」でpanicを起こすのではないか??ということ。
別件ですけども、Atom D510自体は64bitでも、「VTに非対応なので、64bitOSをゲストにできない」(何か方法があるのかもですが)と怒られたりもしました。
ですので、r8168.oが「Atomに足りないニーモニック」とかを叩きに行って、panic起こしてコケてる可能性もありそうです。。
(そんなのがあるのか詳しく調べて無いですけど…)
一方で、32bitの方はといえば、x86のニーモニックはフルサポートのはずで、その範囲で動くから問題が起きない?…んじゃないでしょうか?と。
■とりあえずの私的結論。
こうなると、VT非対応のためにせっかくのESXi4で64bitゲストが使えない可能性が高い今、ESXi4(64bit)を使うメリットはほとんどなくなります。
じゃあ残る選択肢は、ESXi3.5(32bit)です。
ですが…これには32bitの「r8168.o」ドライバが必要ですね。
ESXi4を動かそうっていう有志はいるけれども…ESXi3.5をって人はもうあまり(ざっとみたところでは)見当たりません。
ここまでくると32bit/LinuxベースのVMwareServerに戻すほうが賢明かも…
結局、あくまで推測ですが…、
「Atom 64bit+RTL8168/8111」の組み合わせが問題?
のようなかほりがプンプンします…。
ESXi4を動かしたいなら「VTくらい対応している」、もう少しスペック高くていいCPUを使うべきなのかもしれませんね。
とりあえず、個人的には一旦諦めて、ESXi4+D510MO+オンボードNIC(RTL8111)の組み合わせ使わない対応にする方向で検討しようと思います。。
将来的にRealtekのドライバが安定したらまたESXi4も検討かな?という程度で。
そんなわけで、今回は諦めることにして、他の勇者に続きは譲ります(笑)
■補足
ちなみに、D510MOにはNICを増設できないわけではないので、やっぱり使いたいって人は、「PRO/100」とか「PRO/1000」なんかをジャンク同様に仕入れてきて、PCIスロットに突き刺して運用する方法が一番手っ取り早いと思います。
■さらに補足
もう少し突っ込むと、一旦Atomマシンに64bitのCentOSとかを入れて、Atom D510環境でコンパイルしたr8168.oを作ってみる、という方法もあるかもしれません。(有志が配布してるドライバはAtom D510マシンでビルドしたものではない可能性があるので。)
これらの情報がトライしてる方々の参考になれば幸いです。